顎関節Ⅱ度(関節包・靭帯障害)とは?
顎(あご)の関節は「顎関節(がくかんせつ)」と呼ばれ、耳の前あたりに位置しています。
この関節は、口を開けたり、食べたり、話したりするときに常に動いている非常に繊細な関節です。
「Ⅱ度(関節包・靭帯障害)」とは、外傷や過度な開口・歯ぎしり・食いしばりなどにより、関節を包む“関節包”や“靭帯”が伸ばされてしまった状態を指します。
骨折や脱臼ほどの強い損傷ではありませんが、痛みや違和感が長引くケースが多いのが特徴です。
主な原因
・硬いものを噛んだ
・大きく口を開けた(あくび、歯科治療中など)
・寝ている間の歯ぎしりや食いしばり
・姿勢の悪さ(猫背や首の前傾姿勢)
・ストレスによる筋緊張
・顔面への打撲、外傷
症状
顎の痛み:口の開閉時、特に開け始めや大きく開けたときに痛む
開口障害:口が大きく開けられない(指2本分ほどで止まる)
関節音:「カクッ」「パキッ」と音が鳴る
顎の引っかかり感:開け閉めの途中で動きが止まる・ズレる
咀嚼時の違和感:片側でしか噛めない・噛むと疲れる
耳の前の圧痛:顎関節部を押すと痛い
顔のこわばり:特に朝方に筋肉が硬く感じる
首・肩のコリ:咬筋・側頭筋の緊張により連動して発生
放置するとどうなる?
関節包や靭帯の炎症が慢性化すると…
・顎関節円板のズレ(Ⅲ度障害)
・顎関節の変形性関節症
・慢性頭痛や肩こりの悪化
などに進行することがあります。
また、片側だけで噛むクセがつくと、顔の左右差や顎の歪みにもつながります。
接骨院での対応
当院では、次のような流れで施術を行います。
1.顎関節の可動域・動作痛チェック
→ 開口量・左右偏位・音の有無を確認。
2.筋・靭帯の触診評価
→ 咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋、関節包部を丁寧に触診。
3.炎症・筋緊張の軽減施術
→ 手技療法、微弱電流療法、超音波療法などで炎症抑制。
4.顎のアライメント調整
→ 下顎のズレや筋のアンバランスを整える。
5.生活指導・セルフケア指導
→ 開口ストレッチ、姿勢改善、睡眠時の噛みしめ予防など。
自宅でできるセルフケア
〇顎の温罨法(ぬるめの蒸しタオル)→筋肉の緊張を緩め、血流を促進します。
〇正しい姿勢を意識→ 頭を前に出さず、顎を軽く引いた姿勢を保つ。
〇硬いものを避ける→ スルメ、硬いパン、ガムなどは控える。
〇リラックス習慣を取り入れる→ 深呼吸、軽いストレッチで全身の緊張を和らげる。
まとめ
顎関節Ⅱ度(関節包・靭帯障害)は、軽度の外傷や日常の癖でも起こりうる関節障害です。
放っておくと慢性化し、顎のズレや頭痛の原因にもなります。
早めの施術と生活改善で、スムーズな顎の動きを取り戻しましょう。