2018/06/14 (更新日:2018/06/14)
【吾輩は猫である】感想・レポート お悩み相談室@立川・東大和・小平・東京
猫の主人・苦沙味先生は、才能がないのに俳句、弓、謡、絵などに手を出します。
「何をやっても永持しない男である」と猫が語るように、苦沙味先生はカキのように部屋にこもって数々のことをやります。「下手の横好き」という、下手だけど何かを熱心にやっている人をからかうような言葉がありますけど、私はこのような姿勢はよいと思います。
なぜなら、何かをやらずに自分がそれに向いているかどうかなんて、わかりっこないからです。たとえば野球だってバットを振らなければ自分がどのくらいボールを飛ばせるのか、そもそもボールに当てる能力があるかどうか、わからないですよね。
やらないうちには何も判断できない。そして同時に、やらないと何事も上達しないと私は思います。
このような「少しでも興味を持ったらやる」という姿勢の苦沙味先生だからこそ、物語のはじまりで「吾輩」を拾ったのだと思います。だから苦沙味先生は、この物語に出るべくして登場したキャラクターだとも私は思います。
さて『吾輩は猫である』の主人公の猫はとても賢いです。
人間の言葉を理解し(主人の日記を盗み読む)、猫同士でコミュニケーションをし、俳句を詠んだり、また失敗から学んだりします。
特に私が「おお」と感じたのは次のセリフです。
「人間というものは到底吾輩猫属の言語を解し得るくらいに天の恵に浴しておらん動物である」
人間は、自分たち猫の言葉が分からない。なんてかわいそうな動物だろう、です。
私は昔猫を飼っていたことがあるのですが、これを読んで「あの子もこんな風に思っていたのかな」と考えてしまいました。「今日の魚はあんまりおいしくないぞ。安物か?」なんて思っていたのかもしれません。
さて『吾輩は猫である』はユーモアがあって、笑える小説です。百年くらい前に書かれた作品なのに面白いなんて、とてもすごいことだと私は思います。
なかでもいちばん面白かったのが、猫が正月のおもちを食べるところです。そこで猫は4つの教訓を思いつきます。
「得難き機会はすべての動物をして、好まざる事をも敢てせしむ」
「すべての動物は直覚的に事物の適不適を予知す」。
「危きに臨めば常なし能わざるところのものを為し能う。これを天祐という」
「すべての安楽は困苦を通過せざるべからず」
深夜、台所に忍び込んだ猫はそこにおもちを発見します。別にそんなにおもちを食べたくはないけれど、この機会を逃したら次に食べられるのはいつになるかわからない。おもちって年末年始しか食べないものですから。そして思ったのが最初の教訓です。「バーゲン」や「セール品」や「期間限定」なことって魅力的だよね、という話です。
ということで猫は、がぶりとおもちに噛みつきます。しかし「何かおかしい」と思います。ここで二つ目の教訓が頭をよぎります。猫が何を考えたかというと、「おもちが噛み切れない」です。
なんとか歯を抜こうともがくうちに、偶然、猫は後ろ足だけで立つことができました。猫なのに二足歩行。おもちのおかげです。これが第三の教訓の意味です。ピンチになるとできないことができるよね、という教訓です。
ちなみに猫がおもちに苦戦している間、物音を聞きつけた家族が台所に集まってきて、苦戦する姿を見てげらげら笑っています。主人だけがその様子を見て「早くとってやれ」と優しさを見せてくれました。
猫がおもちの苦しみから解放されたときに、第四の教訓が得られました。困難なんていらない、という猫の心の叫びが聴こえてくるようです。ちなみに読みながら私も笑ってしまいました。
このように『吾輩は猫である』はいろいろな「教訓」や「真理」がおもしろおかしく描かれています。なので、むしろ小説というよりかは、夏目漱石のエッセイといったほうが近いんじゃないかなと思いました。
・ 吾輩は暖かい場所を求めて、この家に来た
・ 吾輩はお手伝いの人間に何度も外に放り出されたが、家の主人の許しが出て、この家に住みつくことになった
・ 主人は変に凝り性で、胃が弱いくせに、いろいろなものにハマっていた
・ あるときは、吾輩をモデルに全然似てもいない写生をしたりもしていた
・ 吾輩と主人の生活は続いていったが、主人は胃が弱いために、間もなく死ぬだろう
・ 死は万物の定めだ
・ 吾輩は憂鬱になってきたので、ビールを飲んだ
・ あてもなく、あちらこちらを歩き回ったような…
・ 気が付くと、吾輩は壺に落ちて、水の上にいた
・ もがけば少し浮くけれども、すぐに水の中に沈んで苦しい思いをする
・ 無理を通そうとするから苦しい
・ 自ら苦しむ道を選び、自ら拷問にかかっているのはバカらしい
・ もうよそう
・ 安らかな平和は、死ななければ得られない
・ 南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)。ありがたいありがたい
どうやら人間はのんきにみえるけれども、心の底をたたいてみるとどこか悲しい音がします。
主人は胃が弱いために、間もなく死ぬでしょう。
死はあらゆるものの定めです。
なんだが吾輩も気がめいってきました。
残っていたビールでも飲もう。
ビールを飲むにつれてだいぶ楽になってきました。
あてもなく、あちらこちらを歩き回ったような…。
気が付くと、吾輩は水の上にいました。
どうやら甕(かめ:大きな陶器の容器)の中に落ちてしまったようです。
のんきにしていれば沈むばかりで、かといってどうあがいても外に抜け出せそうにありません。
甕をガリガリとひっかけば少しは浮きましたが、ちょっと滑るとまた水の中に沈みます。
沈むと苦しいから、またすぐガリガリする…。
その時、吾輩は苦しいながらも、こう考えました。
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