2025/12/10 (更新日:2025/12/10)

クアドリラテラルスペース症候群とは?

スタッフブログ

肩の痛み・腕のしびれにお悩みの方へ

クアドリラテラルスペース症候群とは?

鑑別方法・施術法を解説

 
肩の深い痛みや、腕の外側から手にかけてのしびれ、力が入らないといった症状でお困りではありませんか?
一般的な肩こりや四十肩・五十肩と片付けられがちなこれらの症状、
実は「クアドリラテラルスペース症候群 (Quadrilateral Space Syndrome: QLS症候群)
という神経・血管の圧迫障害かもしれません。
このスペースの解剖学的特徴、鑑別方法、そして適切な施術法について解説します。
 

クアドリラテラルスペースとは?

クアドリラテラルスペース(四辺形間隙)は、肩関節後方にあるトンネルのような隙間です。
以下の重要な筋肉や骨に囲まれています。

〇小円筋(上)

〇大円筋(下)

〇上腕三頭筋長頭(内側)

〇上腕骨(外側)

この狭いスペースの中を、腋窩神経(えきかしんけい)と後上腕回旋動脈という、
肩の動きと感覚に欠かせない神経と血管が通過しています。
 

QLS症候群の原因と症状

スポーツや反復動作によって周囲の筋肉が硬くなったり、炎症でスペースが狭まったりすると、中の腋窩神経や血管が圧迫されます。これがQLS症候群の原因です。

 
主な症状は以下の通りです。
1. 神経症状(腋窩神経の圧迫)

・腕のしびれ、感覚障害: 肩の後ろから上腕(二の腕)の外側にかけて、しびれやピリピリとした感覚異常が現れます。

・筋力低下: 肩の三角筋や小円筋に力が入りにくくなり、腕を横に広げる動作(外転)が難しくなります。

2. 血管症状(動脈の圧迫)

腕を挙げたりする角度によって、血流が悪くなり、腕が冷たく感じることがあります。

 

QLS症候群の鑑別方法

四十肩・五十肩、頸椎症、胸郭出口症候群など、腕のしびれを引き起こす疾患は多岐にわたります。
QLS症候群の疑いがある場合、以下の点が重要な鑑別ポイントとなります。

徒手検査法

ルーステスト: 肩関節、肘関節を90°(外転・外旋位)に曲げ、グーパーグーパー3分ほど繰り返します。

痛みやしびれ、疲労感が増強・誘発されることがあれば陽性となります。

外転・外旋位はQLSの隙間を狭めて症状の強度を上げやすくなります。

胸郭出口症候群や頸椎ヘルニアと間違われやすいため、検査法が重要となります。

 

当院での施術法とアプローチ

QLS症候群と診断された場合、当院では以下のようなアプローチで症状の改善を目指します。

1.原因筋の特定と緩和:

小円筋、大円筋、上腕三頭筋長頭など、周囲の過度に緊張している筋肉や、癒着している筋膜に対して

手技療法や筋膜リリースを行い、スペースを確保します。

2.神経・血管へのアプローチ:

神経の滑走性を改善させるためのアプローチや、血流を促進するための電気・鍼施術を行います。

3.姿勢・動作指導:

日常生活やスポーツ動作の中で、肩に負担をかけるフォームや姿勢を特定します。

再発防止のためのストレッチなど指導を行います。

 
お気軽にご相談ください
肩の痛みや腕のしびれは、日常生活の質を著しく低下させます。
特にQLS症候群は専門的な知識と鑑別が必要な症状です。
「どこに行っても改善しない」「原因が分からない」と諦めずに、ぜひ一度ご相談ください。
あなたのお悩みに寄り添い、最適な改善プランをご提案いたします。
 
東大和市駅前はり灸整骨院
042-516-9901

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