2024/09/06 (更新日:2024/11/06)
運動器疾患で多い病証
運動器疾患で多い病証
運動器疾患で多いのは、臓腑弁証で肝陰虚証、気血津液弁証で気血両虚証、血瘀証、痰湿証、
弁病で痹証などがあります。また経脈病や経筋病では障害部位を通る経脈や経筋が深く関係
しています。
(1)肝腎陰虚証(かんじんいんきょしょう)
多くは慢性病、労働による身体的疲労(労働過度)、精神的ストレス、感染症(温熱病邪)など
によって、中国伝統医学の肝や腎の陰液が消耗して起こる。また加齢や怠惰な生活や運動不足
などによっても起こります。この証は、腎が失調して肝へ影響を及ぼします。あるいは肝が
失調して腎へ影響を及ぼします。あるいは肝腎ともに失調して起きる病証でもあります。
主な症状と所見
腎の失調による所見:めまい、耳鳴(蝉が鳴くよう)、腰・膝がだるい(力が入らない)、不眠、
男子は遺精、女子は月経量の減少。
肝の失調による所見:眼の症状(かすむ、夜盲、眼の乾き)、肋脇部の痛み、手のしびれ
他の症状と所見:五心煩熱(手のひらや足の裏が熱くて火照る症状)、口や咽が乾燥する、
体が痩せる、盗汗、便が乾燥、頬が紅い、紅舌、少苔あるいは無苔(鏡面舌)、乾燥、
細く一定の脈力があって、1分間90回以上の速い脈(細数脈)。
治療
伝統医学の肝腎を滋養して補い、照海(あるいは然谷)、三陰交、腎兪に補法を用います。
太衝と太陽に単刺を行い、瀉法を用います。